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矢板 毅; 本田 充紀; 下山 巖; 伊藤 健一*; 万福 裕蔵*; 辻 卓也; 松村 大樹
日本原子力学会誌ATOMO, 59(8), p.483 - 487, 2017/08
福島第一原子力発電所事故後に伴う環境汚染に対して事故からの復興に向けて取り組んだ減容化除染と再生利用に関する研究の取り組みについて、日本原子力研究開発機構と国立環境研究所が取り組んできた吸着機構の基礎から物理的除染および減容化と熱処理に関する研究を紹介した内容である。一般的な物理処理、熱処理に関する紹介に加え、粘土鉱物へのセシウムの取り込みメカニズムや溶融処理のその場観察を放射光X線分光を利用した研究により詳細に解説している。
下山 巖; 本田 充紀; 小暮 敏博*; 馬場 祐治; 平尾 法恵*; 岡本 芳浩; 矢板 毅; 鈴木 伸一
Photon Factory News, 35(1), p.17 - 22, 2017/05
福島放射性汚染土壌のCs除染と再生利用に対して提案しているセシウムフリー鉱化法(CFM)について紹介すると共に、PFのJAEA放射光ビームラインで実施している研究について報告する。本研究では風化黒雲母(WB)からのCs脱離機構を調べるため、非放射性Csを収着させたWBにNaCl-CaCl混合塩を添加し、低圧加熱処理前後での組成と構造変化を調べた。蛍光X線分析により塩無添加の場合でも700Cで約3割のCsが除去され、塩添加時はほぼ全てのCsとKが除去された。一方、Caは温度と共に増加し、700CではSiよりも多い主成分となった。さらにX線回折法、透過型電子顕微鏡による分析によりWBが普通輝石などの異なるケイ酸塩鉱物に相変化することを明らかにした。これらの結果は相変化に伴ってイオン半径の大きい1価陽イオンが排出されるメカニズムを示唆しており、我々はこれに基づいてCFMの着想に至った。また、X線吸収分光法を用いたClの化学状態分析により、塩由来のClが反応の初期段階で粘土鉱物の酸素とCl-O結合を形成しながら生成物の鉱物中に取り込まれることを明らかにした。
山路 恵子*; 長田 賢志*; 春間 俊克*; 大貫 敏彦; 小崎 完*; 渡辺 直子*; 難波 謙二*
Journal of Environmental Radioactivity, 153, p.112 - 119, 2016/03
被引用回数:20 パーセンタイル:54.26(Environmental Sciences)CsとMnを濃集する植物の根内生菌の役割を解明するため、463種類の根内生菌を分離し、シデロフォア排出能を調べたところ、107種が認められた。そのうち8種類の菌を用いて放射性Cs汚染土壌からの元素の溶出を調べた結果、CsとMnの溶出がFeとAlの脱離とともに進行することを明らかにした。この結果から、福島における植物への放射性Cs濃集には根内生菌が重要な役を理を担っていることが明らかとなった。
山口 徹治; 島田 太郎; 石橋 純*; 赤木 洋介*; 黒沢 満*; 松原 諒宜*; 松田 祐紀*; 佐藤 滋芳*
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 22(2), p.21 - 27, 2015/12
福島第一原子力発電所事故で汚染された土壌を穴に埋設し、清浄な土壌で覆土すれば、放射性セシウムは汚染土壌から周りの土壌や地下水にほとんど移行しないことは過去の研究から推定できる。本研究では、茨城県美浦村の1つの公園と埼玉県三郷市の2つの公園において一年にわたって核種移行試験を行って、その推定を実証した。実際に汚染土壌を埋設し、散水によって放射性セシウムの移行を加速した。ボーリングコアの切断分析結果や、土壌水の分析結果からは、放射性セシウムの動きは見られなかった。また、実験室におけるカラム移行試験および収着試験によって、放射性セシウムが汚染土壌からほとんど溶け出さないことや、たとえ溶け出しても周囲の土壌に収着されてほとんど移行しないことを示すデータを得た。試験は1年間で終了したが、移流拡散モデルによるシミュレーション解析を100年間について行ったところ、セシウム-137はほとんど移行せずにその場で減衰することが示された。
天野 光; 渡辺 美紀*
The 5th Low Level Counting Conf. using Liquid Scintillation Analysis, 0, p.86 - 91, 1996/00
最近報告されているLSCを用いた-線分別法は、バックグラウンド計数を減少させるため、分析目標値を低減する方法として有用である。本研究では線放出核種であるPu-241及び植物や動物体内での残留時間が長く毒性の高いPuの線放射体及びAm-241を取り上げ、液体シンチレーションカウンターを用いて従来の測定法に代わる簡便で精度の高い測定法の開発及び改良を行った。そのために測定液量の異なる二種の液体シンチレーションカウンターの測定精度の比較、従来の測定手法と-線分別法における測定の比較を行い、それぞれの装置及び測定法の特性を明らかにし、プルトニウム同位体測定に最適な条件を調べた。また、得られた手法と併せて放射化学的な方法で汚染土壌中の放射性核種を定量し、深度分布等を調べた。
武部 愼一; 向井 雅之; 古宮 友和; 神山 秀雄
JAERI-M 93-034, 15 Pages, 1993/02
未攪乱状態の通気層土壌試料を用いて、Co,Sr及びCsで汚染した土壌から脱離した放射性核種の大型カラム試験において、前報に続いて低吸着領域における核種移行挙動について、地下水流下をトリチウムの破過開始直後までにとどめることにより調べ、土壌中の核種濃度分布及び流出液濃度分布の時間変化の結果を総合して解析を行った。その結果、この程度の流量では、Sr及びCsは深部への移行は認められず、Coについてのみ低吸着領域の移行が認められ、その濃度分布にはピークが見出された。この低吸着領域におけるCoの移行挙動について、吸着及び脱着反応速度定数を考慮した非定常の取扱において、最大吸着容量を導入したモデルを用いることにより、核種の流出液中濃度及び土壌中分布を統一的に説明することができた。解析結果から、染層層におけるCoの移行し易い化学形の初期割合は、0.1%程度と推定された。
武部 愼一; 向井 雅之; 古宮 友和; 神山 秀雄
JAERI-M 92-205, 19 Pages, 1993/01
未攪乱状態で採取した4種類の土壌試料を用いて、Co,Sr及びCsで汚染した土壌から脱離した放射性核種の大型カラムによる移行試験を行った。Coについては、カラム上部の高濃度吸着部分の下部に広い範囲にわたり平担な低濃度吸着領域が見出され、また、流出液中にも低濃度検出され、特徴的な濃度の時間変化が観測された。通気層土壌中の低吸着領域におけるCoの移行挙動について、非陽イオン性化学種の吸着及び脱離反応速度を考慮した核種移行モデルによる解析を試み、これらの試験結果をかなりよく説明することができた。
辻村 憲雄; 吉田 忠義; 星 勝也
no journal, ,
一般的な作業服,手袋及び長靴への土壌の付着量を質量計測によって求め、除染等作業において高濃度汚染土壌(50万Bq/kg)を取り扱う場合に予測される放射性表面汚染密度を試算した。
下山 巖; 本田 充紀; 小暮 敏博*; 馬場 祐治; 平尾 法恵*; 岡本 芳浩; 矢板 毅; 鈴木 伸一
no journal, ,
放射性セシウム(Cs)により汚染された土壌に対する除染法開発のため、我々は非放射性Csを飽和収着した風化黒雲母をモデル土壌とし、KCl, CaCl等のアルカリ塩と共に低圧環境下で加熱処理を行い、構造と組成分析を行った。CaClを添加して700Cで加熱処理を行うとCsは100%除去され、Caの組成比が温度と共に増加する蛍光X線分析の結果を得た。透過型電子顕微鏡とX線回折を用いた構造解析により、700Cでの主な生成物がCaを主要元素とする輝石であることを明らかにした。一方KCl塩添加時は700Cまで大きな構造変化は生じず、約55%のCsが除去された。これらの結果から、塩由来のCaが輝石形成を誘起すると共にイオン半径の大きいCs+は輝石から排出されるというモデルに基づき、土壌除染と再利用を可能にするCsフリー鉱化法を提唱する。
下山 巖; 本田 充紀; 小暮 敏博*; 馬場 祐治; 岡本 芳浩; 千葉 慎哲; 矢板 毅; 鈴木 伸一
no journal, ,
福島における放射性Cs汚染土壌問題に対し、我々はアルカリ塩添加と低圧環境での加熱処理により、粘土鉱物(福島風化黒雲母: WB)からCsが大幅に減少することを見いだしたがそのメカニズムの詳細はよくわかっていない。そこでWBの組成及び構造変化をXRF, XRD, TEM, NEXAFSにより分析した。NaCl-CaCl混合塩を重量比1/1でWBに添加し、低圧加熱処理を行った後に蒸留水で余剰のアルカリ塩を除去した。Csは600Cで11%、700Cで0%に減少した。また、Csと共にKの減少も観測された。一方、CaとClは温度と共に増加する傾向を示した。XRDパターンは500Cから新たなピークが現れ、700Cでは粘土鉱物のピークが消滅すると共に複数の新たなピークが観測された。またTEM分析により、その主成分がワダライトと普通輝石であることがわかった。これらはその結晶構造においてサイズの大きい1価カチオンを含むことができないため、化合物形成と共にCsが除去されることになる。またCa及びCl K端NEXAFSスペクトルが加熱処理時の大気圧・低圧環境下で異なり、生成物に影響することを見いだした。我々はこれらの結果に基づいてセシウムフリー鉱化法という新たな土壌除染のアイデアを提案する。
下山 巖; 本田 充紀; 小暮 敏博*; 馬場 祐治; 矢板 毅; 岡本 芳浩
no journal, ,
CaClとKCl添加物を用いたセシウムフリー鉱化法(CFM)による福島汚染土壌の除染試験を行った。加熱処理前後の放射能濃度変化をNaI検出器で調べると共に、土壌成分の構造変化をX線回折法(XRD)により分析した。乾燥土壌にアルカリ塩を重量比1:1で添加し、大気もしくは低圧加熱処理を2時間行った後に余剰塩を水洗除去し、その後分析した。CaCl添加の場合は大気・低圧加熱で大きな差は観測されず、790Cで97%の除染率が得られた。また、740Cで低圧加熱処理を3回行うと除染率は99%に達した。この場合汚染土壌中の風化黒雲母(WB)の底面反射ピークは消滅し、大気・低圧加熱処理により異なるXRDパターンが観測された。この結果はCFMが実際の土壌除染に有効であることと、生成物が加熱時の圧力条件に依存することを示している。一方、KCl添加の場合は低圧加熱が大気加熱よりも高い除染率を示し、790Cで83%の除去率が得られた。この試料のXRDパターンはbiotiteのピーク成分を示したためCs除去は主にイオン交換によるものと考えられる。この結果は、KClとCaCl添加時の熱処理によるCs除去メカニズムが異なることを示唆している。
小暮 敏博*; 下山 巖; 本田 充紀; 馬場 祐治; 岡本 芳浩; 矢板 毅; 鈴木 伸一
no journal, ,
福島県を中心に発生した放射性汚染土壌の安全かつ有効な除染法の開発が急務となっている。1994年にSpaldingは石灰石とNaClを添加して1000C以上に加熱することで99%以上のCsを気化できることを報告した。国内でも複数企業により同様の手法の開発が進められているが、我々はさらにエネルギーコスト等の低い加熱処理による除染プロセスの開発を目指して、風化黒雲母や実汚染土壌からの放射性Csの脱離メカニズムを明らかにし、プロセスの最適化を進めている。まずは風化黒雲母や実汚染土壌にNaCl, KCl CaClなどの塩を加えて加熱することでどのような化学反応が起こり、どの程度吸着させたCsが取り除かれることを調べている。特にCaClを添加し、低圧雰囲気下のもと700Cで加熱することで、風化黒雲母に吸着させたCsをほぼ100%脱離することができた。このとき風化黒雲母はaugiteやwadaliteという塩素を含むざくろ石構造の珪酸塩鉱物に分解し、これにより固定されていたCsが放出されることが明らかになった。またこの手法を実汚染土壌に適用しても、99%に近い放射能を取り除くことに成功した。